病院が果たすべき役割は、治療や治癒を求めている患者さんに対して適切な処置を行い、患者さんが本来持っている回復力を支援することです。しかし、高齢可社会の中で、病院にかかる必要は無いものの健康に不安を持っていらっしゃる高齢者の方が増えてきています。
特に横浜という街は、ご存知の通り全国屈指の人口を誇ります。商業都市としてのエリアでは流動人口の方が圧倒的に多いのですが、住宅地になると固定居住者の人口がとても多い。そして、住宅地にはお子さんや高齢者の方がたくさんいらっしゃいます。
大きな都市の住宅街では、介護や看護の仕事の求人はひっきりなしにあります。こうした場所では、常に人手が求められているのです。
ところで、特に高齢者に話をしぼるのですが、高齢者の中には色々な人がいます。90歳が近いのに矍鑠としている人もいれば、60歳と比較的若い人でも健康に問題をお持ちの方もいらっしゃいます。
一番多いのは、今すぐに病院に行かなければならないような疾患があるわけでは無いものの、自立して生活していくには将来的な不安があるという人です。
私の病院では、こうした高齢者の方を対象に健康な生活を支援するための講習が時々開かれています。ごく最近知りました(笑)
なぜ知ったのかと言えば、ある日急に「明後日の健康支援講座、行ってね」と職場で言われたのがきっかけです。正直「ナニソレ?」状態でしたが、スタッフとの打ち合わせでようやくどういう内容のものなのかを知った次第です(汗)
この講習は、地域のお年寄りのケアをして活動しているボランティアの人を対象にしています。つまり、看護師や病院スタッフではなく一般向けの講座です。
私が参加した講習は、お年寄りのスキンケアに関する講習でした。スキンケア講習と言っても、化粧水だのなんだのという話ではありません。つまりは、手と手を触れ合うことによって、お年寄りの心のケアをするというものでした。
確かに、お年寄りの中には独居している方も少なくありません。聞いた話だと、横浜しないだけで十数万世帯もの独居の高齢者がいるのだそうです。
こうした人たちのケアのためには、ボランティアの方々の活躍が欠かせません。が、普通に考えれば知らない人が突然尋ねてきても戸惑うだけですね。
そこで、ボランティアの方に癒しにつながるスキンケア、主に手なのですがその方法を学んでもらうことによって、単にハンドケアをするだけでなく心のケアと癒しも同時に行うことができるようになってもらうのが講習のコンセプトでした。
何しても、一番重要なのは人と人とのふれあいなのだと、改めて実感する良い講習でした。自分も看護師として、緩和ケアや介護分野にも関心を持っていきたいなと思ったしだいです。
緩和ケアについて、詳しくはこちらをご覧ください。
[緩和ケアナビ]